宮﨑駿監督は引退を撤回して映画づくりを再開しましたが、同じく引退を撤回して再度映画を発表したのがフィンランドの巨匠アキ・カウリスマキ(66歳)。「枯れ葉」は、スーパーで働く中年女性と工事現場の男の話でカウリスマキ史上最も心温まるラブストーリーとしてカンヌ国際映画祭でも評判が良かった作品。小津安二郎を敬愛するカウリスマキによるあえて無表情で朴訥なセリフの登場人物たちばかりという独特の演出も、その世界観をつくる魅力のひとつです。
そのカウリスマキとともにカンヌ国際映画祭の常連であるヴィム・ヴェンダース(78歳)が、役所広司を主演に日本映画として作り上げたのが「PERFECT DAYS」。日本代表として米アカデミー賞国際長編映画賞にショートリストに選出されました。あるトイレ清掃員の男の何気ない日常からささやかな幸せが感じ取れるという作品で、ヴェンダース史上で最高傑作の呼び声もあります。
そしてこのヴェンダースも日本映画の巨匠である小津安二郎を敬愛する監督です。
この巨匠監督たちに負けじと、ベテラン俳優のおじさんたちも頑張っています。
まずは、夏の大作として公開された「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」。こちらはお馴染みトム・クルーズ(61歳)がスタントを使わずにバイクで断崖絶壁から飛び降りるという超絶アクションをこなしています。
イタリア市街でのカーチェイス、列車の上での格闘、全力ダッシュなど61歳とは思えないアクション三昧で、シリーズを増すごとにアクションも派手になっています。
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」はシリーズ4作目。キアヌ・リーヴス(59歳)がガンアクションとカンフーを独自に混ぜ合わせた「ガンフー」という特殊アクションで伝説の殺し屋を演じています。今回はシリーズ一番の連続アクションで次々と登場する敵と闘いながら色んなところから転げ落ちています。
「イコライザー THE FINAL」のデンゼル・ワシントン(68歳)は、普段は一般市民として生活しながらも実は元特殊部隊の凄腕の男で、今回も怒らせてはいけない相手をチンピラが怒らせてしまいます。いざとなると絶体絶命な状況からでも9秒で相手を仕留めます。イタリアの綺麗な街並みと夜景を背景にマフィアを壊滅させます。シリーズ3作目でラストとなるか。
トム・クルーズはずっとスターですが、おじさんになってからアクション俳優に転向する流れが最近は出てきて、中には人気シリーズにもなります。リーアム・ニーソン(71歳)の「96時間」シリーズはその代表格といえるでしょう。