【アシスタント】「お気に入り」の苦しみ

osanai アシスタント

映画プロデューサーになるという夢を抱き、有名エンターテインメント企業に就職したジェーン。殺風景のオフィスで日夜事務作業に追われる日々、しかも社内にはハラスメントが常態化されていて──。
監督は「ジョンベネ殺害事件の謎」のキティ・グリーン。主演は「エレクトリック・チルドレン」「マニアック」のジュリア・ガーナー。主人公の名前である「ジェーン」は、英語で匿名の女性を指す “Jane Doe” に由来している。

──

「えっ」

身体がどんどん硬直していくのを感じた。
私の身に何が起きたのか、一瞬理解ができなかった。
受け入れたくもないことが起きて、身体が拒絶していたのだ。

私は狭いエレベーターという「密室」で、突然、後ろから上司に抱き締められていた。

*

6年後の私は「アシスタント」という映画を観た。

人気もなく真っ暗な明け方、主人公のジェーンはハイヤーに乗り、自身の勤める会社へ向かった。オフィスに着くと、照明を付け、全員のPCに電源を入れ、黙々と清掃を始める。

社員たちが出社すると、「週末はどうだった?」などと気さくに声をかけられるも、即座に仕事を頼まれるジェーン。彼女は週末も出社し、父親の誕生日すらもすっかり忘れているほど仕事に忙殺されていた。

ジェーンは、映画プロデューサーになることを夢見ていた。映画業界は狭き門だが、何とかくぐり抜け、業界でも有名なエンターテイメント企業に就職する。下っ端のアシスタントとしてのスタートだが、ジェーンの努力は半端ない。勤め始めてたった2ヶ月で、会長のスケジュール管理や手配を1人でこなし、社内の様々な問題に対処する優秀な社員だった。

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S H A R E
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アパレル業界出身のシステムエンジニア。オンラインコミュニティ「Beauty Ritual」運営。恋愛映画がすきだけど、オールジャンル鑑賞します。