フランスの田舎町で暮らしていたソヴァールは、町の経済を司っていたブレイユに対して恨みを抱いていた。ブレイユで生産していた香水が、インターネット経由で高値で売れることを知ると──。
監督、脚本を務めたのは、ジェレミー・ローザン。ラファエル・クナール、イゴール・ゴーツマン、アガト・ルセルが出演している。
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「人は生まれつき、自由で平等。そこからが勝負」という格言からはじまるこの映画。
嘘つけ〜!と叫びたくなるのをこらえていると、やっぱり綺麗事じゃないかという描写が後に続く。
ブレイユという資産家に牛耳られた街、フランス・シャルトル。この街の住民は、なにかしらブレイユの事業に関連した仕事に就いている。ブレイユは“絶対王”で、誰も逆らえない。だって、王のおかげで生活ができているから。
そこに反旗をひるがえすのが、主人公のソヴァール。仕方なくブレイユの香水工場で働いているが、この街で天下をとってやると、その機会を虎視眈々と狙っていた。なぜなら、大聖堂を眺めながら暮らしたいという母の夢を叶える家に住んでいたが、ブレイユのデカイ広告看板によって景色をぶち壊されていたからだ。景色を取り戻すためにはブレイユの上に立つしかない。ささやかな夢もぶち壊した看板を見ながら、成長とともに憎しみも育っていった。
人間にアリの人生が影響を及ばさないように、ブレイユの支配下にいる人間がどうあがこうがブレイユはビクともしない。それを逆手にとった方法が、会社で製造している香水の横流しビジネスだった。