それと、映画音楽や役者とはまた別に、坂本龍一という人物を取り上げた作品もあります。
アーティストしての坂本龍一を捉えたもので、彼の人となりが見えたりして興味深いです。
まずは本人に密着したドキュメンタリー「Ryuichi Sakamoto : CODA」(2017)。プライベートな部分もありつつ、彼の考えが自らの口から語られる。2012年から5年にわたる密着取材を劇場版にした作品だ。
他にも面白い作品では、写真家の鋤田正義を描いたドキュメンタリー「SUKITA 刻まれたアーティストたちの一瞬」(2018)。鋤田さんはデヴィッド・ボウイなど世界中の有名アーティストを撮ってきた方。「YMOのあの写真が鋤田正義だったのか」といった発見がある。
そして、「音響ハウス Merry-Go-Round」(2019)。銀座の老舗レコーディングスタジオ「音響ハウス」でレコーディングをしてきた数々の有名アーティストが、様々なエピソードを語るドキュメンタリー。坂本龍一はじめ松任谷由美、佐野元春など昔のエピソードを聞くことができる。
最後に、YMOの盟友である細野晴臣がアメリカツアーを敢行したときのドキュメンタリー作品「NO SMOKING」(2019)。細野晴臣の生い立ちから彼のキャリアを追った作品で、細野がいたからYMOがあったんだと感じられる。坂本龍一、高橋幸宏との出会いのエピソード、そしてアメリカツアーが終わったらコロナが来て……という、最近の彼らが描かれた映画だ。
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ちょっと振り返ってみただけでもこれだけの作品があって、それぞれがそれぞれに楽しいです。
こういったことを意識しながら、映画を観るのも楽しいのではないでしょうか。