【バビロン】自分にとっての「映画」とは何か?デイミアン・チャゼルが魅せるハリウッド黄金期と夢の行方

osanai バビロン

夢を抱いてハリウッドに来たマニーと、女優志望のネリー。サイレント映画界のスター・ジャックとの出会いにより、彼らは映画界で躍進する。その陰で、サイレント映画からトーキー映画への移行が進んでいくが──
監督は「ラ・ラ・ランド」「ファースト・マン」のデイミアン・チャゼル。主演にはブラッド・ピット、マーゴット・ロビーの他、ディエゴ・カルバが抜擢された。

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あなたにとっての「映画」とは何か?
私にとっては「感情のアップデート」だ。

作品を観る前後で感じる心境の変化。端的にいうと、自分の感情がより豊かになるような感覚だ。

時には、答え合わせだったり、これまで自分の中になかった新たな感性が追加されたり。

私たちが物事を認知するとき、自分の脳に蓄積された記憶をもとに関連付けを行っていく。そのため、どれだけの情報を持っているかで物事の認知度は変わるのだ。

私は生きる上での判断軸を増やすため、「感情のアップデート」を重要なことだと捉えている。

映画を観て、他者の人生を擬似体験し、感情の「データベース」にデータを蓄積していく。データが増えれば増えるほど、私の感情の引き出しも増えていく。

同じ映画を観ている観客一人一人が、皆違う記憶を持っていて、感じることも捉え方も十人十色であるように。

映画「バビロン」を生み出したデイミアン・チャゼル監督にとって、「映画」とは、いったい何なのか?本作にはその答えがあるように感じた。

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アパレル業界出身のシステムエンジニア。オンラインコミュニティ「Beauty Ritual」運営。恋愛映画がすきだけど、オールジャンル鑑賞します。