【シビル・ウォー アメリカ最後の日】分断を理由に諦めないために

監督のアレックス・ガーランドは、本作品について以下のように語っている。

—最後に、この映画を観た観客が社会や政治についてどのような会話をすることを期待しますか?
ガーランド:いい質問ですね。私は観客に会話をしてもらいたいのです。ほとんどの映画はすべての問いと答えが物語のなかに含まれているから、なかなか会話につながりません。
私は日本の政治について詳しく把握していないので同じ状況かはわかりませんが、ヨーロッパやアメリカでは右派と左派の会話は完璧に崩壊しています。だから私は、右派と左派の観客が喧嘩をせずに議論できるような、双方に共通点がある映画をつくりたかった。ただ会話をしてくれること、それがこの映画の答えなのです。

(CINRA「『シビル・ウォー アメリカ最後の日』アレックス・ガーランド監督が語る「右派と左派が喧嘩せず議論できる映画を」」より引用)

分断されているということは、会話ができるということでもある。お互いをわかりあうためではなく、お互いがただここにいることを許容できる状態でいるために、僕らは会話を止めてはいけない。ひとたび対立の躍動に巻き込まれたならば、僕らは、今のままではいられなくなってしまうだろう。あの小さな手に、無邪気に触れて喜ぶことができなくなってしまう。それだけは避けなければいけない。

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■シビル・ウォー アメリカ最後の日(原題:CIVIL WAR)
監督:アレックス・ガーランド
脚本:アレックス・ガーランド
プロデューサー:アンドリュー・マクドナルド
撮影監督:ロブ・ハーディ
プロダックション・デザイン:キャティ・マクシー
編集:ジェイク・ロバーツ
音楽:ジェフ・バーロウ、ベン・ソールズベリー
出演:キルステン・ダンスト、ワグネル・モウラ、スティーヴン・マッキンリー・ヘンダーソン、ケイリー・スピーニーほか
配給:ハピネットファントム・スタジオ
公式サイト:https://happinet-phantom.com/a24/civilwar/

(イラスト:水彩作家yukko

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1984年生まれ。兼業主夫。小学校と保育園に行かない2人の息子と暮らしながら、個人事業主として「法人向け業務支援」と「個人向け生活支援」という2つの事業をやってます。誰か仕事をください!