いずれにしてもこのような「何か世の中にフィットしていないな」という感覚は、恋愛市場だけでなく、生活全般においても感じてきていました。
周囲から「猪突猛進」「自己主張が強い」「ああいったらこういう」と言われて育ってきた私です。蛇足ですが大学入試の面接では、自己紹介で「私はイノシシです。やりたい事があったら突進します」と答えたら面接官の教授陣に爆笑されて合格し、友達からは「イノシシ合格」と言われていた私です。
周りの人が議論していたら参加したいし、言いたい事は言いたいし、積極的に行動したい。自分の世界をどんどん広げていきたい。
キャリアにおいても常に、そのようなスタンスで仕事に取り組んできました。一定の成果を出す事は出来たものの、所々でつい、その場を北極レベルで凍らせる瞬間は沢山ありました。
周囲を瞬間冷却させてしまったのは、発言したのが女性だったからか、若かったからか、または内容が無かったなど別の理由だったか、は分かりません。
それでも「虎に翼」を見ていても沢山の、「出すぎてしまった!!」とハッと反省するような空気感の場面を見ては、その度に、「私だけではなかったんだ」と救われるような思いをしています。
そうした幾多もの「あるある!」「そうなんだよねー!」という場面もまた、これまで私が引き起こしてきた数々の違和感を、優しく成仏させてくれるに十分な描写になっています。私だけがずれているわけではなかった。他にもこういう思いをした事がある人は沢山いるのか、という安ど感。脚本家の吉田様、本当にありがとうございます。そして(これまでの私が引き起こした冷却現場に)合掌。