日本初の女性弁護士で、後に裁判官となる猪爪寅子。女学校の卒業を迎える中、お見合い結婚を勧める母親を振り切って、女性に法律を教える学校への入学を決意する。
主人公の寅子を演じるのは伊藤沙莉。映画、テレビドラマ、アニメ作品などを手掛ける吉田恵里香が脚本を担当。また本作は、日本初の女性弁護士の三淵嘉子(故人)がモデルになっている。
(※本テキストは「虎に翼」の第1~9週の内容がもとになっています)
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「虎に翼」が人気です。私の周りでも、働いて家庭を持っているいわゆる「ワーママ」な人たちの間では話題沸騰で、感想を語り合う「寅子の会」を開催しよう、と計画するほどの盛り上がりとなっています。
実際のモデルである三渕さんの業績には足元も及ばず、一介のワーママでしかない私なので感情移入しているというのもおこがましいのですが、これまでの人生で経験してきた「生きづらさ」「周囲から浮いている感じ」に重なるエピソードが山盛り、もうてんこ盛りどころかデカ盛り・メガ盛り状態で、視聴後はお腹ではなく胸がいっぱいになる毎日を送っています。
このドラマの時代的な背景に基づく社会的な考察などは、きちんとした方々がいくつも真面目な文章で公にされていると思うので、ここでは一人の「寅子風味」を持って生まれた女性が、このドラマを見て何を感じたか、思い出したかを書き綴ってみたいと思います。
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この物語は、寅子のお見合いの場面で始まります。
帝国大学を卒業し、貿易会社に勤めるエリートとの食事の場で、父親とお見合い相手の話に加わって昨今の社会情勢について意見を述べる寅子。新聞読んだ知識も持ち出して話す寅子に、お見合い相手も最初のうちは和やかに話していたものの、そのうちに「女のくせに生意気な!」と怒って出て行ってしまいます。
ううっっ!!
あいたたたた、、、
あるある、こういう場面。。。
画面を見ながら思わず、共感性羞恥心が発動してうずくまりそうになりました。