【ザ・メニュー】完璧な世界に混じった、招かれざる異物

osanai ザ・メニュー

太平洋沖の孤島に位置する高級レストラン「ホーソン」を訪ねた、三者三様のゲストたち。迎える料理長・スローヴィクによってサーブされる芸術的なフルコース料理が、次第に波紋を呼んでいく。
料理長・スローヴィクを「グランド・ブダペスト・ホテル」のレイフ・ファインズ、スローヴィクに対峙するカップルのひとり・マーゴを「クイーンズ・ギャンビット」のアニャ・テイラー=ジョイが演じている。

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どんなにおいしい料理でも、髪の毛が入っているだけで汚物に成り果てる。どれだけ心血注いで作ったとしても、異物がひとつでも入っていると、人の胃に収まることはない。

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世界で最も予約の取れないレストラン「ホーソン」は孤島にたたずみ、1日に数組しかディナーを楽しむことができない。そんなレストランに行ける人は、おのずと社会的地位も高く、お金を持っている人たちだけ。

そこへ偶然やってきたのがマーゴだった。連れである自称美食家のタイラーが本命に振られたため、急遽代打として参加した彼女は、本当はここに来るはずのない人間だった。

他の参加者は成金IT長者の3人組、お金持ちの老夫婦、辛口料理評論家と料理雑誌編集者、落ち目の映画スターとそのアシスタントという顔ぶれだ。料理を食べに来たというよりも、社会的ステータスや、自尊心を満たすためにレストランに訪れた様子。

ホーソンの料理長であり、絶対君主のスローヴィクは、まるで教祖のようないでたちだ。他のシェフは信者のようにスローヴィクを崇拝し、軍隊のような見事な連携プレーで料理を作り上げている。完璧なコース料理として、次々と至極の一品が提供されるが、だんだんと様子がおかしくなっていく。

さらにマーゴという異物の混入によって、予想もしない展開が訪れることになる。

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S H A R E
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最近会社を辞めました。登山しながら、書きながら、暮らしていけたら最高です。