【名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN】名もなき者、で居続けたいボブ・ディランの姿

ボブ・ディランってなに?
と思いながら
YouTubeで
いろいろな曲を聴いていた。

映画でもでてきた
The Times They Are a-Changin(時代は変わる)

君が自分の時間を救う価値があると思うなら
泳ぎ始めた方がいい、さもなければ石のように沈んでしまう

古い価値は通用しないのであれば
新しい価値を探す
時代は変わる

その当時の先見性とか
時代を切り取る力とか
そういうのを如実に表した歌だと思う。

理解できる
でもただの信奉者にはなれない。
少なくとも私は。

それが村上春樹とボブ・ディランと
コアなファンがいる一方
ライトなファンが少ないってことなのではないかと
村上春樹を一ページも読んだことのない私はそう思った。

大衆受けすることがすべてではないし
きっとボブ・ディラン本人もそれを望んでいない
「名もなき者」でいたいのだ。

彼の自由というか
彼の存在、雰囲気が
彼の作り出す音楽と重なり
また新しい魅力となるのだろう。

ボブ・ディランって結局何なのか分からない。
でも、映画を見ると
なんとなくボブ・ディランが分かった気がする。

村上春樹に手を出しておらず
食わず嫌い、というか読まず嫌いなまま
ここまで来たことを思うと
映画でこうやってボブ・ディランのことが
分かるっていうのは
一つ、また新しい発見。

ボブ・ディランをなんとなく敬遠していたり
正直よく分からないという場合も
映画を見ると思うことや気づくことがあるのかもしれない。

村上春樹を敬遠していた友人が
ある日突然、村上春樹を読んではまって
どっぷりハルキストになったように
ボブ・ディランにはまる人も出てくるかもしれない。

でも私は違った。

単純で、明快で、明るいポップミュージックが心地よく
仕事のバックサウンドにするのであれば
出来ればビートルズにしたい。

オブラディオブラダ
くらいの軽快なリズムで
何をうたっているのか分からないけれど
明るく
そういう曲でいいのだ。

ボブ・ディランは

やっぱり重かった。

──

■名もなき者 A COMPLETE UNKNOWN(原題:A Complete Unknown)
監督:ジェームズ・マンゴールド
脚本:ジェームズ・マンゴールド
撮影監督:フェドン・パパマイケル
共同脚本:ジェイ・コックス
衣装デザイナー:アリアンヌ・フィリップス
プロダクション・デザイナー:フランソワ・オデュイ
音響編集監修:ドナルド・シルヴェスター
音楽編集監修:テッド・カプラン
音楽監修:スティーヴン・ギジッキ
出演:ティモシー・シャラメ、エドワード・ノートン、エル・ファニング、モニカ・バルバロ、ボイド・ホルブルック、ダン・フォグラー、スクート・マクネイリーほか
配給:ディズニー
公式サイト:https://www.searchlightpictures.jp/movies/acompleteunknown

(イラスト:水彩作家yukko

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エッセイスト願望のある普通のワーママ。日々仕事と育児に追われる中で、少しでもユーモアな方向で昇華したいと願い、いろいろと書いています。家事スキルは高くなくとも、仕事でフルパワー出せなくとも総合力では戦っていける!
最近のモットーは「今日の私が一番若い。」