アカデミー賞関連では、「落下の解剖学」も話題でした。
山荘から転落死した夫。容疑者となったのはミステリー作家の妻で、さらに唯一の目撃者の息子は盲目だった、という法廷サスペンス。証言者によって見え方が変わり、夫婦で国籍が違うなど今どきなグローバル視点も加わった上質な法廷劇。
「哀れなるものたち」も女性の立場が低かった時代に自由に生き抜くことを体当たりで表現し、エマ・ストーンは主演女優賞に輝きました。
世界観を映し出す美術も秀逸で美術賞など複数受賞しています。
女性をモノにしようとするも逆に振り回されるプレイボーイを演じたマーク・ラファロの演技もとても印象的でした。
その他、上半期の話題作といえば「マッドマックス:フュリオサ」。傑作といわれた前作「マッドマックス:怒りのデスロード」の前日譚で熱狂的なファンを生んだシャーリーズ・セロン演じる女隊長フュリオサを主人公にした作品です。応援上映や発声上映のはしりとなったのが前作で、その熱狂を生み出した唯一無二の世界観の作品です。
そして同じくハリウッド大作では「デューン 砂の惑星PART2」。ティモシー・シャラメとゼンデンヤというスター共演で、ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督による壮大なSFアクションです。宿敵ハルコンネン家との対決を描きます。
「フュリオサ」もそうですが、この辺りのSFはハリウッドでないと描けないスケールと美術や技術なので、映画館で楽しみたい作品です。