【THE FIRST SLAM DUNK】原点としての「SLAM DUNK」、新しい挑戦を後押ししてくれるもの(長野県松本深志高等学校 バスケットボール部)

山王工業戦は最終章ではない。ひとりひとりの原点が描かれていた

──映画のタイトルにつけられた「THE FIRST」という言葉、皆さんはどう解釈していますか?

村上:映画を観る前は、「THE FIRSTがあるなら、THE SECONDもあるかも」と考えていました。でも、さすがに山王工業戦は繰り返さないですよね。
僕は、作者の井上雄彦さんにとって映画づくりが「THE FIRST」だったのかなと。新しい取り組み、新しい挑戦という意味で、「THE FIRST」としたのかなと思いました。

古田:湘北の5人だけでなく、ベンチメンバーや山王工業のメンバーにも、それぞれのストーリーがあることが感じられる映画でした。ひとりひとりの目線で、それぞれのストーリーがある。試合だけじゃなく、登場人物ひとりひとりにフォーカスされた作品だと感じました。

西澤:バスケでは、ガードは「1番」と呼ばれるポジションです。ガードを務める宮城が主人公なので、「THE FIRST」とつけられたのかなと。
また、原点という意味も込められていると思います。湘北だけでなく、山王工業のメンバーにとっても、インターハイでの試合が“始まり”だったように感じます。ラストシーンでは、沢北だけでなく宮城もアメリカに行っていることが描かれていました。「THE FIRST SLAM DUNK」で描かれた物語は、みんながこれから新しい物語を始めていく上での原点なのかもしれません。

──漫画を読んでいない方にも、映画は楽しめると思いますか?

村上:漫画を読んでいる方は、きっと漫画の中に好きなシーンってあると思うんです。それが出てきたとか、削られたとか、そういった一喜一憂も楽しめますよね。でも、逆に漫画を読んでなければ、試合結果も分からないわけで。それはそれで絶対面白いはずです。

西澤:映画では、試合前半のシーンはほとんどカットされていました。だから、ある程度漫画を読んでいることが前提でストーリーが進行しているのは確かです。でも、漫画を読んでない方が映画を観ても、絶対にバスケの楽しさは伝わるはず。ひとつのチームで力を合わせて戦うというバスケの醍醐味は、漫画を読んでない方にも伝わると思いました。

──本日はありがとうございました。最後に、これからの目標を教えてください。

古田:松本深志が所属する中信地区には、私立高校の強豪校が2校あります。彼らに勝たないと上位進出することはできません。現在の部員数は19名ですが、みんなで力を合わせて北信越大会出場を目指し、これからも練習に取り組んでいきたいです。

──

■THE FIRST SLAM DUNK
監督:井上雄彦
原作:井上雄彦『SLAM DUNK』
脚本:井上雄彦
演出:宮原直樹、大橋聡雄、元田康弘、菅沼芙実彦、鎌谷悠、北田勝彦
CGディレクター:中沢大樹
キャラクターデザイン・作画監督:江原康之、井上雄彦
撮影監督:中村俊介
編集:瀧田隆一
音響演出:笠松広司
録音:名倉靖
制作統括:北﨑広実、氷見武士
アニメーションプロデューサー:西川和宏
プロデューサー:松井俊之
オープニング主題歌:The Birthday「LOVE ROCKETS」
エンディング主題歌:10-FEET「第ゼロ感」
音楽:武部聡志、TAKUMA
出演:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太、岩崎諒太、瀬戸麻沙美、奈良徹、武内駿輔、かぬか光明ほか
配給:東映

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株式会社TOITOITOの代表です。編集&執筆が仕事。Webサイト「ふつうごと」も運営しています。