「SLAM DUNK」と重なる、諦めないという気持ち
──映画「THE FIRST SLAM DUNK」の感想を教えてください。
古田:映画の舞台になったのは、漫画の最終章にあたるインターハイの山王工業戦です。漫画を読んでいたので結末は知っていましたが、それでもすごく興奮しました。映像や音楽も臨場感を高めていて、その「場」にいるような感覚がありましたね。
西澤:僕は、映画の主人公・宮城リョータと同じガードというポジションを務めています。なので、彼に感情移入することが多かったと思います。
試合だけじゃなくて、それぞれの登場人物が抱えているストーリーにも感動しました。特に、宮城がお母さんに向けて手紙を書いたシーン。一度は「生きているのが俺ですみません」と書きましたが、「バスケを続けさせてくれてありがとう」と書き直しましたよね。印象に残るシーンでした。
──「感情移入」という言葉がありました。映画に出てくる登場人物は、皆さんと同じ年代の高校生です。同じ高校生として捉えることはできたのでしょうか?
古田:正直なところ、同じ高校生という感覚は全くありません。ちょっと年上というか……。
村上:初めて漫画を読んだのも小学生のときですし、そのときの気持ちに戻るような感じですね。「お兄ちゃん」の勇姿を見ているような感覚に近いと思います。
──逆に、自分と重ねられる部分はありましたか?
西澤:宮城が後半、山王工業の深津と沢北からゾーンプレスをかけられるシーン。僕も強豪校と対戦したときに、同じようなプレッシャーをかけられることがあります。だから宮城がプレスを突破した瞬間は、僕もワーっと気持ちが湧き上がってきました。どんなに劣勢のときでも、湘北の「諦めない」という気持ちを思い出すようにしたいです。
村上:バスケは5人がスタメンで出場するスポーツなので、レギュラー争いはどうしても激しくなります。映画を観ながら思い出したのは、中学時代に「どちらがスタメンになれるか」でチームメイトと競ったこと。練習のときから真剣勝負で、流川と沢北のような「やられたらやり返す」というモードになっていたと思います。
古田:僕はセンターなので、赤木に自分を重ねることがありました。赤木は、自分より明らかに格上の河田と対峙し、「こいつに勝てるのか?」と葛藤します。僕も身体がそれほど大きくないので、強豪校の同じポジションの相手と対峙すると、怯みそうになるときがあるんです。それでも諦めずに、何とかしがみつく。そんなメンタリティは「SLAM DUNK」から学んでいます。