映画で魅せる様々な「生きづらさ」

どちらかというと“この時代の生きづらさ”などにフォーカスが当たっている作品が多くあったように感じた。

印象に残っているのは「ブルー・バイユー」という、アメリカに住むアジア人の移民が家族と一生懸命に生きようとする姿を描く作品だ。

お金の問題や法律に悩まされながらも、一生懸命生きようともがき苦しむ主人公の姿を、主人公の純粋さを表すかのようにゆっくりと流れるストーリーと美しい映像で描く。
涙が溢れ出るとはこのことか、と思い知らされるほどの衝撃のラストに、この作品の全てが詰まっていた。

他にも、過去に犯した罪により最愛の子供達と引き離されてしまった母が、仕事もない、家もない中、ただひたすらに子供達と暮らしたい一心で旅に出る「ドライビング・バニー」もアメリカ国内においての法律や人権について謳っている。

現代の多くの若者たちが抱える想い「何者でもない、でも何者かになりたい。そして自由に生きたい。」そんな主人公をチャプター構成で描く作品「わたしは最悪。」や、さまざまな事情を抱えながらパリ13区で暮らす4人の若い男女の孤独や不安、そして愛を群像劇で描く「パリ13区」。
かつての英雄飛行士にちなんで名付けられた「ガガーリン団地」がパリ五輪のため取り壊されることに抵抗する少年の強い想いを幻想的に描く作品「ガガーリン」など、現代社会に生きる若者たちの想いや考えを感じたり、考えられる作品に多く出会えたような気がする。

ニュースやSNSによる情報過多の世の中で、現代社会における人々の生きづらさや閉塞感が言語ではない“映画”という表現によって映し出されていたのではないだろうか。

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S H A R E
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アパレル業界出身のシステムエンジニア。オンラインコミュニティ「Beauty Ritual」運営。恋愛映画がすきだけど、オールジャンル鑑賞します。