「推す」ことが当たり前の時代に、あえて「推さない」をコンセプトに据えた場所を作ります。
なぜ、推さないをコンセプトにしようと考えたのか。
それは、個人の好き嫌いでない視点が、物事の「面白さ」(あるいは「面白くない」部分)を的確に捉えることができると考えたからです。
過度に褒めず、フラットに物事の価値を見つめること。冷静なインプットを経て獲得した思考や解釈を、世の中へアウトプットするWebサイトを目指しています。
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まずosanaiが作りたいのは、映画のあれこれについて語り合う場所です。
映像、音楽、演出、物語、役者の演技、美術、照明──。滑らかに作用し合う総合芸術である映画は、多岐にわたる視点ゆえに、観る人によって多様な解釈が生まれます。様々なカルチャーがある中で、常に中心を担ってきたメディアだと僕は思います。
「言葉にできないけど面白かった!」「やばい!」という感想も、もちろん尊い。それに加えて、様々な視点を拾い集めながら、映画の意味や意義を深く感じることができたら、より映画を楽しめると思うのです。
いずれはWebサイトに留まらず、映画の上映会や出版物の発行、コミュニティの運営などにも挑戦していきます。
色々な場所で、読み手の皆さんとワイワイ話せたら。推さないという唯一の縛りがあるからこそ、それぞれの対話は豊かで愉快な体験になるのではと予感しています。
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さて最後になりますが、osanaiは「推す」ことを否定しているわけではありません。
現在のカルチャーを語るうえで、推す行為は欠かせません。あらゆるカルチャーの発展に間違いなく寄与してきました。
「推す」場所と、「推さない」場所。そのふたつが成り立っていることが大切だと思います。
それぞれを自由に行き来しながら、カルチャーを思う存分楽しめたらと。
世界中のあらゆる場所で、良質なカルチャーが遍く行き渡る未来になりますように。osanaiはそんな未来を夢見て、微力ながら運営を続けていきます。